ALC建物 壁貫通時の注意点

ALCの建物での壁貫通時の注意点を紹介しています。

ALC壁貫通時の注意点

ALCを使った住宅も多く建築されていますし、一般住宅だけでなく、ビル、マンション、工場などでもALCは多く使われている建材です。
ハウスメーカーならへーベル住宅などが有名です。
このページでALCへの壁貫通時の注意事項を説明しておきます。

 

ALC貫通時の注意事項

ALCを使った建物は、数多く建築されてるので、ここで説明することは、とても重要なことなので、ALC壁面を貫通するときの参考にしてください。

 

そもそもALCとはどういうものなのかから知っておく必要があります。
ALCとは、「Autoclaved Lightweight aerated Concrete」の略で日本語に置き換えると「高温高圧蒸気養生された軽量気泡コンクリート」という事になります。
簡単に言ってしまえば、発泡軽量気泡コンクリートという事です。

 

発泡コンクリートだから、鉄筋コンクリートの建物と違って型枠を組む必要もなく、簡単に現場で切断して施工することができるので、工期も短くて済むし、コストも低く抑えることができるので、多くの建物で採用され、今も日々ALCを使った建物が建築されています。

 

それだけに、みなさんのお宅がALCの可能性もないとは言えないので、ここでALCについて少し勉強してください。

 

まず一般的なALCの構造から見てください。
ALCの内部鉄筋配置図です。
これが一般的によく使われているALC板です。
図の中で点線で描いているところは、内部鉄筋を示しています。
このようにALC内には、たくさんの骨材が使われていて、それを支えとして発泡コンクリートを支える構造になっています。

 

見てわかるようにその間隔は、とても狭くて貫通すると必ずと言っていいほど骨材にあたります。
だからといって貫通をやめるわけにもいかないので、そのまま貫通を続けます。

 

しかし、ここで
「骨材を切ってしまっても問題ないのだろうか・・・」
という疑問が湧いてきます。

 

結論からいうと、仮に1本や2本切ってしまったとしても問題ないとメーカーも保証しているので、迷う必要などありません。

 

仮に鉄筋を切るなと言うのなら、開口部を作ることができなくなるので、ALC専門の職人たちは、迷うことなくALCを切断して建物を作っています。
ですから、エアコンの貫通時に骨材が出てきたとしても、迷ううことなくそのまま作業を続けてください。

 

但し、ALCを貫通するには、ALC貫通専用のコアドリルが必要になります。
モルタル用でも貫通できないことはないけど、骨材にあたった段階で刃が飛ぶことは覚悟しておく必要があるでしょう。
骨材にあたると簡単に刃が飛んでしまい次に使うときに、使い物にならなくなってしまう可能性が高く、コスト的にもかなり高くついてしまうので、やはりALCにはALC専用のコアドリルを使うことを強くおすすめしておきます。

 

ここで一つ注意点を挙げておきます。

ALCの継ぎ目部分は、絶対に貫通しないでください。
ここには、3分鉄筋と共にモルタルが流し込まれていて、壁全体をつなぐ役割を担っているので、この3分鉄筋及びモルタルを貫通してしまうと壁全体の強度が落ちて地震のときに壁が崩壊する危険度が高くなります。

ALC継ぎ目補強部分の断面図です。
断面図のようにALCとALCの継ぎ目には3分鉄筋とモルタルが流し込まれているのがわかります。
この鉄筋とモルタルでALCをつないで一面の壁となってるので、この部分の鉄筋やモルタルを抜いてしまうと、強度が下がることは理解できると思います。

 

ほとんどのALCの建物は、外壁部分はALC板に直接吹き付け塗装されていることが多いので、継ぎ目の確認は容易にできるけど、外壁もタイル張りなどで目地が潰されている場合は、金属探知機を使って確認するようにしてください。

 

尚、ページ内で紹介した寸法は、あくまで一般的なものでALC板製作時のコンクリートの圧力の影響で多少変形したり、ズレたりしてることが多いので注意してください。
また、ALCにもたくさんの種類があるので鉄筋位置寸法も違うので、あくまで参考程度だと考えてください。

 

まあ、鉄筋にさえあたらなければ、何の抵抗も無くスッと抜けるので、そのときはラッキーだったと思ってください。

 

ALC貫通ように用意してもらいたい工具を紹介しておきますので、参考にしてください。

 

ALC貫通部の防火区画処理

エアコンの冷媒管を通すのに空けた貫通部の防火区画処理も大切な作業なので、少し勉強しておきましょう。
一般的な住宅なら、貫通部には、シールパテを使って穴を塞ぎます。
もっと丁寧な仕上げをするなら、その上からシリコンシール材を塗布して、水や虫などの侵入を防ぎます。

 

しかし、これでは、いざ火災が発生した時、貫通部の防火処理が不十分なので、貫通部から炎が吹き出して、延焼する可能性が高くなります。
そこで、消防法では『令8区画』という名称で呼ばれる防火区画を設けて、その区域にある冷媒管用の貫通穴に対して、厳しい防火規定を設けています。
因みに『令8区画』とは、消防法施行令第8条に既定されている区画のことを言います。

 

貫通部の処理の考え方は、シールパテを用いて塞ぐのとさほど違いはありません。
どちらも貫通部を完全に防ぎ、建物に害を及ぼすものの侵入を防いだり、防火区画の場合は、火災時に炎が他に及ばないように食い止める役割を担っているという事の違いは、ありますが、どちらも完ぺきに穴を塞ぐという点では、共通しています。

 

冷媒管貫通部の防火処理方法については、下記リンクで紹介されている施工方法を参考にしてください。

 

簡単ですが、防火区画での冷媒管貫通部の処理について紹介しておきましたが、ここで紹介した施工法の他にも防火区画の定義の違いで、施工材料等も変わってくるので、現場の状況に応じた施工方法で貫通処理を行うようにしてください。

 

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