屋外冷媒配管工事の2回目を始めましょう。
1回目で、屋外での冷媒配管工事に取りかかる前の準備を解説しました。
ペアコイルと呼ばれる冷媒管を必要な長さに切断し、切断面の成形作業などについて解説しましたが、ここまでは理解できたでしょうか。
みなさん自身でルームエアコンの取付に挑戦するのですから、はじめにも書いたように一言一句洩らさず、しっかり手順を守って行うようにしてください。
ここからの作業はプロでも、最もトラブルの発生しやすいデリケートな作業なので、言い方は悪いかもしれませんが、ド素人ならなおさらトラブルの発生比率は格段に上がると考えてください。
プロの職人として取付料金をいただく立場の人間は、接続作業完了後の検査でもガス漏れ検知器など、それなりの機材を用意して完璧な検査を心掛けるのが当たり前なので、トラブル発生のリスクも限りなくゼロに近くなりますが、一般の方では、そこまでの機材を用意することもしないでしょうし、リスク回避の手段は限られるので、せめて決められた手順をしっかり守って取付けるようにしてください。
それでは、早速フレア加工の手順を確認してください。
まず最初に、壁から突き出した室内機リードパイプからフレアナットを取外します。
このとき使うのが『エアコン取付に必要な工具』で紹介した
トルクレンチとモンキーレンチです。
トルクレンチセット | モンキレンチ |
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室内機から出ているリードパイプの冷媒管接続口は、片側にフレアナットが取付けられ、もう片方は室内機から延びる銅管と溶接された
固定用ナットで構成されています。
まず最初に、固定用ナットにモンキレンチをセットし、次にトルクレンチをフレアナットに掛け、固定用ナットに掛けたモンキレンチを動かさずに、フレアナットだけを緩めます。
これを、1/4、3/8双方で行い、各フレアナットを取外します。
そして、取り外した後のリードパイプの先端部に異物混入を防ぐための処理を行います。
こうして取外したフレアナットを冷媒管に差込んでからフレアツールをセットします。
このとき、銅管面をクランプバーの面と同一にすると規格どおりの寸法でフレア加工が行えます。
写真のように、正確にクランプバーの表面と銅管の切断面を合わせるのが難しいときは、
下の画像のフレアメジャーガイドを使うと正確に合わせることが出来ます。
但しこれは、あくまでJIS規格製品でのことで、海外製のJIS規格外のフレアツールには、あてはまらので注意してください。
最近は、フレアツールも海外製の粗悪品が増え、それに伴ってガス抜けなどのトラブルが急増してるので、フレアツール購入時には、国内JIS規格適合品か確認して購入するようにしてください。
いくら安くても後の修理費用のほうが高くつくのでご注意を!!
粗悪品を購入するのは、ドブにお金を捨てるようなものです。
いえいえ、それ以上に悪いかもしれませんね・・・
最後は、話が脱線しましたが、フレア加工の準備はこれで整いました。
ここからの話は少し長くなるので、本格的なフレア加工はコーヒーでも飲んで一休みしてからゆっくり次のページをご覧ください。