エアコンのリサイクル処分の正しい手順と最低必要な費用

古いエアコンを新しいものに取り替えると古いエアコンの処分が必ず必要ですが、エアコンは家電リサイクル法の対象製品なので、自治体の大型ごみに出したり、クリーンセンターに持ち込むことはできません。
エアコンは正しい手順で家電リサイクル券を使って処分しなくてはならないので、多くの方は取付業者に処分も一括で依頼されていることでしょう。
しかし、その費用は馬鹿にならない金額ではないですか。
それもこれも、一般の方は家電リサイクル法の運用方法を知らないので業者任せにしてしまうのですが、業者に依頼すると家電リサイクル法で定められた処分費用に加えて、エアコンの取外し費用さらに運搬費等が加算され、最終的に1万円近く請求されるので、どうしても
「捨てるだけなのに」という思いがよぎって、高く感じてしまうものです。

家電処分も数多く手掛けているプロから言わせてもらえば、家電リサイクル券を使って正しく処分することは、そんなに難しいことじゃないので少し頑張って安い処分費でエアコンを処分できるようにして、浮いたお金で美味しいご飯でも食べに行ってください。

正しい手順でエアコンリサイクル処分をすれば安くできる！

エアコンのリサイクル処分で大半を占めるのが、エアコンの撤去作業費と引き取り所までの運搬費用です。
リサイクル法で定められたエアコンの処分費は僅か990円から2.000円だけなので、エアコンの取外しから運搬までを自ら行えば、リサイクル料だけで済ませることができるということです。
しかし、エアコンの取外しにはポンプダウンのような専門的な知識と工具が必要だし、冷媒ガスは放出すると環境に悪影響を及ぼすため専門知識と技術が必要なので少しハードルの高い作業なのかもしれませんが、ポンプダウンによる冷媒ガスの回収手順も記事内で紹介していますので、最後までご覧ください。

家電リサイクル法に基づく正しいエアコンの処分方法

「古いエアコンを処分したいけど、どうしたらいいの😔」
と、古いエアコンの処分方法がわからず困っていませんか。
エアコンを処分する方法はいくつかありますが、ここでは自ら処分して費用を安くする方法を紹介します。

エアコンの家電リサイクル法

エアコンは家電リサイクル法の適用範囲に含まれるものなので、
各自治体が収集する一般の大型ゴミとして引取ってもらえないことは、ご存知だと思います。
家電リサイクル法では、特定の家電4品目を指定して、その処分方法を厳しく既定し、
処分される家電品から再資源化出来るものを取出してリサイクルする方法が定められています。

対象となるのは、一般家庭や事務所などから廃棄される次の家電4品目です。

• 家庭用エアコン
• テレビ
• 冷蔵庫・冷凍庫
• 洗濯機・衣類乾燥機

上記、家電4品目の処分は製造メーカー、家電販売店、消費者に義務付けられています。
その中の消費者目線でエアコンの処分方法を紹介しますので、処分にはリサイクル料金の負担が必要になります。

『家電リサイクル法の概要』については、環境省ホームページを参照してください。

家電リサイクル料金の支払方法

家電リサイクル法の対象製品の処分にはリサイクル料が必要なのは、ご存知でしょう。
しかし、その支払い方法については、あまり周知されていないというか積極的に広報されていないと思うので、知ってる人の方が少ないと言ってもいいでしょう。

処分対象のリサイクル券発行料は、こちらで確認してください。
再商品化等料金一覧（家電リサイクル料金）

支払方法には、2種類の方法があります。

◆郵便局から振込む方法
家電リサイクル券を自身で取得し、自ら指定引取場所へ持込むことで最も費用を安く抑えられます。

◆引取り業者に依頼する方法
引き取り業者に処分一切を依頼するので取外しや運搬費用が加算されるので、処分費が高くなります。

それでは、自分で処分するときに行う郵便局での支払いについて紹介していきましょう。

郵便局から振り込む方法

郵便局からのリサイクル料金振込は「料金販売方式」と呼ばれて、
処品を指定場所へ直接持ち込むときに行う費用を安く抑える方法です。

「エアコンを購入した販売店が分からない。」とか
「引越して販売店が遠くなって処分を依頼出来ない。」

などの理由で、自らエアコンをリサイクル処分する時は、この方法でリサイクル料を支払ってください。
続いて、古いエアコンを自分でリサイクル処分する手順を紹介します。

エアコンのリサイクル処分の具体的な手順

1) エアコン引取り先を調べる

処分するエアコンは、自治体指定の引取り場所で引取ってもらえます。
お住まいの自治体の廃棄物担当窓口に直接電話するか、
『家電リサイクル券センター』で調べてください。
お住まいの自治体に引取り場所が無い場合、近隣自治体の指定引取り場所に持ち込むこともできます。
※指定場所や引取り業者は、常に最新のものを確認してください。

2) エアコン持込み日時を予約する

引取り先の確認ができたら、リサイクル処分するエアコンの持ち込み日時を予約してください。
予約するときに、

• メーカー
• 機種
• 製造年

の情報が必要になるので、メモしておいてください。
そのほかに次のような事柄に注意してください。

《注意事項》
別途処分費を請求されることもあるので、予約時に確認して無駄なトラブルを回避するようにしておくことをお勧めします。
引取り先により、引取りメーカーが指定されている場合があります。

3) 家電リサイクル券に必要事項を記入する

郵便局で用意されている家電リサイクル券に次の必要事項を記入してください。

• エアコンの製造業者名と品目
  製造業者名コードと品目・料金区分コードは郵便局にある、
  「郵便局手続き用 リサイクル料金表（税込）」を参考にしてください。
• リサイクル料金（税込）
• 処分する人の住所、氏名、電話番号
• エアコンのメーカー名（製造業者名）

4) リサイクル料金を振込む

必要事項記入後、郵便局又はゆうちょ銀行の窓口もしくはATMからリサイクル料を支払います。
支払い後、振替払込受付証明書が発行されるので、家電リサイクル券に貼付てください。
この家電リサイクル券は、支払い完了翌日から10年間有効です。
尚振込手数料が別途必要です。

5) リサイクル券を貼る

家電リサイクル券の裏面にあるシールを処分するエアコンの貼付け指定場所に貼り付けます。
貼付け位置は、持込を申し込む各引取り場所への引取り予約時に確認してください。

6) 引取り先まで運搬する

取り外された処分品のエアコンを指定引取り場所に持ち込みます。
持ち込み時に、リサイクル券も一緒に持っていき、引取り後にリサイクル券の控えを持ち帰って、大切に保管してください。

これでエアコンのリサイクル処分は終わりです。

エアコン取外しポンプダウンの正しい手順

エアコンの取替えや引っ越しなどでエアコンを取外す際、機械内に充填されている冷媒ガスを室外機に回収しなくてはならず、間違っても大気中に放出することは法律で厳しく禁じられています。
また、冷媒ガスに直接触れると凍傷になる可能性があるので、十分注意してください。

これから紹介するポンプダウンの手順は、実際の現場で行われている手順なので、
しっかり手順を守って作業すれば、確実に冷媒ガスを室外機に回収することができますが、実施するにおいては、仮に問題が発生しても一切責任は負いかねますので自己責任でお願いします。

◆ポンプダウンに必要な工具

• 六角レンチ：室外機バルブの閉鎖用
• モンキレンチ：バルブキャップの開閉・フレアナットの開放用
• ドライバー：室外機・室内機のカバー取外し用
• ペンチ/ニッパー：ケーブル切断用
• 保護メガネ・手袋：安全対策

より確実な確認には、ゲージマニホールドが必要ですが、ここでは最低限必要な工具に絞って紹介しています。

◆ポンプダウン(冷媒ガス回収)の具体的な手順

ポンプダウンは、冷媒管内にある冷媒ガスを確実に回収するために極めて重要な作業なので、
手順を間違わないように作業しなくてはなりません。

1) 冷房もしくは強制運転 ●エアコンを冷房運転します。 　この際、設定温度は最低温度に設定してください。 ●冬場は、強制運転もしくは応急運転を使って冷房運転します。 　強制や応急運転は機種ごとに表記などが違うので取扱説明書で確認してください。

2）室外機右側のサイドカバーを外して 　 冷媒管接続部のバルブキャップをモンキレンチで外します。

3）高圧バルブ(細い冷媒管側)を六角レンチを使って完全に閉めます。 　 バルブ閉栓後、運転を続けて数分間ガス回収を行います。 　 冷媒管長さが3~4m程度なら通常2、3分で回収できますが、 　より確実に回収するために5分程度運転することをおすすめします。

4）冷媒回収後、低圧バルブ(太い冷媒管側)を六角レンチで完全に閉じ、 　 運転を停止して電源プラグを抜きます。

この手順がポンプダウンの正しい手順なので間違わないようにしてください。
ポンプダウンで間違いやすいのは、先に閉栓するバルブの間違いで、高圧バルブ(細い冷媒管側)ではなく低圧バルブ(太い冷媒管側)を閉めて、回収しようとする方が初心者には多いので、確実を期すために、バルブ閉栓前に高圧バルであることを確認するようにしてください。
これが簡単だけど、失敗しない最善の方法です。

詳しいエアコンの取外し方法は、こちらをご覧ください。
【失敗しないエアコン取外し】ポンプダウンの正しい手順

引取りを依頼する場合

エアコンを購入した販売店に引取りを依頼したときには、回収日に料金を直接支払ってください。
また、新しいエアコンの取付時に古いエアコンの処分も同時に依頼したときも直接支払ってください。

と、ここまで家電リサイクル券を購入して、自分できる古いエアコンの処分方法を紹介してきまが、家電リサイクル券を使うのは、自分で持ち込む場合だけでなく、家電販売店が“家電リサイクル券センター”に未加入の場合も購入者が、郵便局で振り込む方法になるので注意してください。

いずれの方法にしても、処分されるエアコンは、銅、鉄、アルミ、プラスチックなどの資源の宝庫なので、適切に再資源化されて新しい製品に生まれ変わらせて、少しでも地球環境に負荷を掛けないように心掛けていきましょう。

最後に業者にリサイクル処分を依頼したときには、家電リサイクル券の控えを受け取るようにしてください。
中には、リサイクル処分費を受け取っておきながら、無許可の外国人経営の処分業者に売り渡す輩もおり、
仮に無許可の処分業者が摘発されて、違法な処分に関して捜査が及ぶ可能性も無いとは言い切れないので、その時のためにも控えが大切ですので少なくとも3年間は、大切に保管してください。