エアコン室内機取付の背板固定時の重要なポイントと手順を解説図を交えて紹介するとともに、
壁固定に使う下地センサーやボードアンカーなども紹介します。
室内機の取付けの成否は、背板の取付で決まると言っても過言ではない大切な作業なので、
まずは、最後まで一読ください。
室内機取付用背板の正しい固定手順
家庭用壁掛け型ルームエアコンは、これから取付ける背板に引っ掛けて壁にぶら下げてあるだけです。
ですから、壁に固定する背板が重要な役割を担っているので、背板の固定が大切だということは理解いただけるでしょう。
これから背板の固定方法を詳しく解説しますので内容をよく理解してから作業するようにしてください。
スポンサーリンク
室内機から背板を外して取付け前の確認をする
エアコンを購入して届いた時には、室内機と室外機が別梱包で届きます。
室外機は、とりあえず設置する近くに置いて、室内機の梱包をバラして同梱されている内容を確認してください。
室内機から背板を外す手順は、本体下側で引っかかっている爪の部分を左右両方外すと簡単に外すことができます。
※一部メーカーでは、背板と本体をねじ止めしてあることがあるので、注意してください。
背板が外れたら、配管用壁貫通穴に対しての取付位置を確認してください。
確認するところは、左右の切り込み部分の垂直部分と水平部分に矢印等と壁からの寄り寸法が記載されています。
具体的には、下記のような説明図が据付説明書に記載されています。
背板取付位置と貫通孔の関係
※ダイキン据付説明書より抜粋
注目するのは、右側の壁貫通位置との関係です。
通常の取付であれば、冷媒管を右側から出すので、この位置が基準になります。
どうしても右抜きができないときには室内機裏で冷媒管を接続して左側の貫通孔から屋外に出しますが、この方法は室内機裏の狭いスペースで冷媒管を繋ぐので、ガス漏れリスクも高く断熱処理も難しくなるので、結露による水漏れのリスクもあり、DIYでエアコンの取付経験が浅い方や、初心者の方には難しすぎると思います。
左抜きでの取付は、プロでも神経を使う取付なので、かなり難易度が高く、おすすめいたしません。
背板の壁固定手順
室内機を確実に壁に固定するために一番確実なのは、壁の中に隠れた柱や間柱に固定するのが最良なので、確実に捉えるために下地センサーを使って、調べると良いでしょう。
その時に使う下地センサーとして、次のようなものが挙げられます。
 |  |
| Panasonic EZ380 | Shinwa 79153 |
|---|---|
 | |
下地センサーが関知するのは、主に金属、木材、プラスチックです。
電源を入れ、壁に本体を付けて徐々に水平に動かしていくと、対象物に反応して知らせてくれます。
しかし、金属ほど木材では精度が良くないので、反応したところをに印を付けて、反対側でも同じように探索して反応が出たところをマークすると、ほぼ真ん中に柱もしくは間柱があります。
◆柱探索の図解
これならほぼ間違いなく構造材に固定することができるので、確実な取付が可能です。
それでも見つからないときには、最終手段としてボードアンカーを使って固定する方法を用います。
おすすめのボードアンカーは次のようなものです。
| 山真製鋸 ボードアンカー G4 25本 | |
|---|---|
 | |
本来のボードアンカーではないけど、使いやすくて特別な工具も必要ないので、DIYでの施工には最適だと思います。
使い方は、石膏ボードに小さめ(6mm程度)の下孔を空けて、そこにプラスドライバーでねじ込むだけです。
後は、背板を当てて、ビスで固定するだけで壁にガッチリと固定されます。
但し、石膏ボードに留まってるだけなので、本数が少ないと抜け落ちる可能性があるので、少なくとも上下4~5本程度、上下で8~10本は固定するようにしてください。
因みに、本来のボードアンカーは次のようなものです。
 |  |
| TRUSCO B409BT | LOBSTAR BA007 |
|---|---|
| |
これだとボードアンカーと専用ツールが必要なので、初期費用が高くつくし、何よりボードアンカーに石膏ボードの厚み指定があるので、石膏ボードの厚みを事前に調べなくてはならないので手間だから、あまりおすすめしません。
壁がコンクリートの場合は、コンクリートアンカーを打ち込んで、ボルトとナットで取付けることになるので、ハンマードリルとコンクリートビットが必要になるし、
マンションや賃貸住宅では、建物の躯体部分への施工には、管理組合やオーナーの承諾が必要になるので、事前相談することをおすすめします。
柱や間柱に固定するときのおすすめのビス固定位置
基本的に上下にある「調整ビス孔」を使用することを推奨します。
その理由は、水平を調整するのが簡単で、微妙な調整が可能になるためです。
そのほか灰色の円で示したビス孔位置は、固定することで壁にしっかり固定でき、室内機を安定することができる効果が期待できる位置なので、全て使う必要はありませんので、背板の安定度を現場で判断してください。
因みに背板には、ほかにもボルト用の孔や多数のビス孔があるので、状況に応じて適切な位置を使うようにしてください。
基本はしっかりとした構造材に固定することです。
構造材に固定するときは最低でも40mm以上の長さのビスを使ってください。
なぜなら、壁材から柱や間柱まで少なくとも20mm以上あるので、しっかり固定しようとしたら、締め付け部分を20mm程度は入れたいので、この長さ以上を推奨します。
因みに通常使う木ビスは、直径４mmが普通なので、販売ラベルなどには「4×40」のように表示されていることが多いです。
4(太さ)×40(長さ)を表していますので、この数値が違えば太さや長さが違うことを示しています。
最近の高気密住宅では、さらに壁材の厚みのある場合もあるので、そんな時はさらに長いビスを使ってください。
背板の水平確認
下地探索が終わって背板を取付ける時の手順と注意点をリスト形式で書き出しておきました。
◆水平器を使った背板の固定手順
- 背板中心のビスを仮留めする。
- 水平器で背板の水平を確認する。
- 上側左右の室内機掛けシロ付近のビスを本締めする。
- この時点でもう一度水平を確認する。
- 問題無ければ、残りのビスを本締めして最後にもう一度水平を確認して完了です。
背板を固定する条件と方法
- 柱や間柱に固定する。
もしくはボードアンカーを適切に使用する。
または、両方を併用する。 - 背板の確実な水平取付。
(ドレン勾配を確保するために重要)
ここまでが背板を確実に壁に固定する手順なのですが、大切なことは、背板を確実に柱や間柱に取付けることと、必ず水平に取付けるということです。
ここさえ間違わなければ、なんの問題もありません。
これが現場で培った背板取り付けの重要ポイントです。
シンプル且つ重要な点を抑えた施工効率のいい方法なので、間違いなくDIY初心者の方でも同じように再現できると確信しています。
ここまでが背板の取付についてだったので、次は室内機を吊り込む時の大切なポイントとドレンテストについて紹介します。