冷媒管接続手順 接続時の注意点を解説！
フレア加工も終わって冷媒管と室内、室外の機械との接続を行います。
前頁で紹介したフレア加工の手順はプロの職人でも行う手順なので、
ここまでご覧いただいた方は、言い方を変えればプロの職人と同じだということなので、
自信を持って作業を進めてください。
室内機側冷媒管の接続手順と注意点
室内機取付時に壁貫通穴から冷媒管、渡り線用VVFケーブル、ドレンパイプなどを一まとめにして突き出たので、
まず最初に突き出した部分をまとめたビニールテープを外して冷媒管を取分けてください。
冷媒管は太いものと細いものがあり、6帖～12帖用程度のエアコンのなら、ほぼ1/4（2分）と3/8（3分）の銅管で構成されています。
そのほかに20帖用等の大型のエアコンでは1/4(2分）と1/2(4分）の機械もあるので注意してください。
これは購入前に調べておかないと取付け時に慌てることになるので、しっかり確認してください。
今回は一番多く出回ってる2分3分の冷媒管として解説しますが、2分4分でも手順は同じなので、そのまま転用してください。
前回作ったフレア加工済みの冷媒管で接続を行うのですが、
プロの職人は接続前にフレアガードなどの専用オイルをフレア部分に塗布します。
これはフレアのすべりをよくするとともに、密着度を上げる効果があります。
金属と金属を密着させて接合するのですから、密着度を上げるのが重要なので、専用のフレアガード等のオイルやガス漏れ防止剤等を塗布してから冷媒管の接続を行います。
下記は私が使ってるものです。
それぞれの簡単な使い方と注意点を書き出しておきましたのでご覧ください。
 | タスコ(TASCO) フレアー加工用スプレーオイル |
|---|---|
| フレアの滑りを良くして、密着度を上げガス漏れを防止します。 フレア面に0.2秒程度噴射してそのまま接続します。 ≪要注意！≫ 冷媒管やフレアナットには使わない！ 使うとトルクレンチの締め過ぎにつながるので絶対にフレア内以外には使わない。 | |
 | アサダ(asada) RT201B ナイログ青ガス漏れ防止剤(全フロン対応) |
|---|---|
| フレア面に1滴垂らしてフレア面に塗り伸ばします。 強い粘性があるので、強力なガス漏れ防止効果が期待できます。 ≪要注意！≫ 必要以上に塗布するとトルクレンチが作動せず締めすぎ状態になり、 フレアの歪みや最悪フレアナットが割れることがある。 | |
私の場合、比較的作業場所が広くて接続作業が容易なところでは、フレアガードスプレーを使って、
狭くて接続作業が難しいときは、ガス漏れ防止剤を使うようにして二つを使い分けています。
このようにフレア部分の接続にもその状況によって、いろんな専用オイル等があるので、適時最も適したものを使って、冷媒ガス漏れリスクの軽減に努めてください。
冷媒管接続時の注意点
接続までの準備も整ったので、冷媒管を接続するときの注意点を解説図を交えて分かりやすく紹介します。
冷媒管の接続は基本的に接続部分が一直線になるように接続します。
この図でも分かるようにフレア部分が真っ直ぐに繋がるようにセットして、軽く手でフレアナットが締まるようにつなぎます。
少しでも歪んでいるとフレアナットが掛からないか、掛かったとしてもスムーズに締めることが出来ません。
手で締めて簡単に根元まで締まらない状態で、トルクレンチを使って締めるとネジ山がつぶれてフレアナットが締まらなくなってしまって冷媒ガス漏れの原因になるので、必ず最初に手で根元まで締め込んでください。
フレアナットを手で根元まで締め込んだ後はモンキレンチを接続部の固定ナットにセットして、フレアナットをトルクレンチで締付けます。
このとき、固定ナット側のモンキレンチは動かないように注意してください。
あくまで締めるのはフレアナットで、固定側で締めないでください。
固定側のナットを締めるとリードパイプが捻れたり、最悪の場合溶接部分が破断や割れを生じて、冷媒ガス漏れの原因となります。
この作業を2分、3分双方で行って冷媒管の接続は完了です。
後は接続部分をリードパイプ付属の断熱材でしっかり巻いて保温すれば冷媒管の接続（室内機側）の完成です。